「ドキュメンタリー10番勝負 〜口上〜」

端的に言ってしまえば洋画、邦画、テレビの如何を問わず「ドキュメンタリー」が好きなのである。
だからハリウッド超大作を観ても、テレビ局製作のごっつぁん映画を観ても、根本的にはそんなに楽しんでおらず、その映像の中に「ドキュメンタリー的な瞬間」を探している自分がいる。
なぜ、ドキュメンタリーが好きなのか?


それは突き詰めて考えていくと「人」に興味があるからであり、ドキュメンタリーは「人」を考えるには最適の映像だからだ。


だいぶ前になるけど、酒席で友人に何かのドキュメンタリー作品の面白さを話していた時、「ドキュメンタリーが好きな奴は性格の悪い奴だ。」と言われた。そのときは反論したけど今にして思えば、なるほどこれは的を射ている話。確かにドキュメンタリーが好きな奴なんざロクな奴じゃあない。野次馬/出歯亀/スケベ根性で社会や他人に踏み込んでいく。本来黙っていれば全て丸くおさまる事を暴く。そういうジャンルが好きな奴だ。しかし、世の中ってのは綺麗事ばかりではないなんて誰もが知っている事だろう。光の部分があるから影の部分がある。影の部分だってこの世に確実に存在する。そういう事が「在る」っていうのを知っておきたいのだ。


しかしながら「ドキュメンタリー」を観たからと言って「真実を知った!」とは思わない。
その映像には必ず作り手の「考え」が入っていて、それは作り手が思う「真実」でしかない。
何かを撮影し編集する。「事実」に手を加えて「監督が考える自分の真実」を導きだす。
ドキュメンタリーを観るという事は、「映像が映す事実からボクなりの真実を見つけ出す。」という作業と同時に、「監督がどういう『人』なのか」を知るという事だ。


もう一点。
エンターテイメントを観ていて一番好きな瞬間ってのがある。「ホント」と「ウソ」が完全に混ざった瞬間だ。「ドキュメンタリー」はその瞬間を確実に、ときに残酷に映し出す。その瞬間にボクは一番「人らしさ」を感じるのだ。あー、やっぱり性格悪いですね。


最近は心身共に不調だったので随分とブログを書くのをやめてしまった。映画はそれなりに観ているのだが感想を書くエネルギーが全く無かった。なにより洋画でも邦画でも、ネット上には量・質ともにハイレベルな感想を書いているブロガーの皆さんが山ほどいるので、ボクが同じように書いたところでたいしたものは書けない。しかしドキュメンタリーに関しては自分が好きな分、色々と書ける...と思ったので試しに今年観た作品を10本、気合い入れて書いてみる事にする。主に日本のもの。海外の作品が1本。AVやニコニコ動画まで今年観て面白かった10本。

1本目は2011年に起きた最大の出来事に対して真っ先に行動を起こした作品。


【おまけ】
「ドキュメンタリー」的なもので、自分が「面白い!」と思った一番古い記憶はこれ。子供の頃、この番組がホントに毎年楽しんで観てた。
与えられたシチュエーションに対して人がどういう表情や行動をするか。