「アンストッパブル」

前回書いた通り「ノルウェイの森」を観てからというもの、「アンストッパブル」が気になってしょうがなかったので観てきましたよ。今回はこの映画の感想。

以下、感想。






いままでネタバレをしないようにと心がけて感想を書いてきましたけどね、今回はついにネタバレしますよ。
この映画は「暴走する機関車を止めようとする話」です!
それ以上でもそれ以下でもありません。あらすじでありネタバレ。極端にシンプルなお話。ここまで削りきった内容を見せられてね、いったいどうだったか?


すごく面白かったです!
シンプルとはいえ「暴走する機関車を止めようとする話」という、言わば本線がしっかりと物語のど真ん中を運行しているので常に緊張感があってダレませんでした。またこの本線には「子供を乗せた機関車が同じ線路上に走っている」とか「世代問題」とか「上司と部下の関係性」とか「夫婦間問題」とか様々な支線が平行して通っており、話のポイントでそれぞれ上手く接続していましたよ。
例えば、冒頭からずっとここで働いているベテラン職員の士気が異様に低いんですよ。今回のこの事故の理由もそう言った部分から起こる人災なんだけど、なぜここまで職員の士気が低いのかという理由が絶妙なタイミングでわかるシーンがあり、見事な構成でした。
他には主人公二人が機関車に乗り込んで仕事場に向かうシーン。大きいカーブの線路を空撮。実はこれが後半になって効いてくるという構成にも舌を巻きました。
構成が良い脚本、喩えて言えば良い路線図!


あと、ある意味「主役」であるデカい機関車の様子が良いよ。無骨な感じがカッコいい。無人の機関車がゴジラの鳴き声みたいな轟音を立てながら暴走。そこに立ち向かう男たち。もう怪獣映画だね。奇しくも暴走する機関車の色が「赤」。主人公二人が乗る機関車が「青」と、ナウシカ王蟲の「目の色」と同じでしたね。相手が怪獣だろうが機関車だろうが「自分よりも巨大なモノに立ち向かう男の話」ってのにはやっぱりグッときますよ!


なにより一番ボクが好きだったのはデンゼル・ワシントンのキャラクターですよ!どんなに危機的状況でもユーモアを忘れないあの感じ。ボクの理想的人物でしたね。
俳優陣の演技についてはもう特に言う事なし!運営部長のあの人ってどっかで観た事あるんだけどなあ...っていうよくあるパターンでございました。


良くない部分も当然ありますよ。クリス・バインの夫婦間問題って根本的解決は全然してないよ!っていうのは多少気になったけど、それよりも中盤で活躍したデンゼル・ワシントンの仲間に対するリスペクトがないまま終わっちゃってるのがスゴい残念。「ダイハード3」が笑顔で終わった「あの感じ」に近い感覚。


でも、ホント面白かったんだって!「ナイト&デイ」くらい面白かったんだけど、あの作品と違うのは観終わっても話を覚えてる点。なにしろ「暴走する機関車を止めようとする話」ですから!おススメです!





【おまけ】
ボクには4歳になる甥っ子がいて「きかんしゃトーマス」が大好きなんですよ。一部で有名ですが、甥っ子はこの歌が特にお気に入り。
「じこはおこるさ」英語版

実際、甥っ子はプラレールで事故シーンを再現してばっかり。子供ってそういうもんだったっけなあ〜。
この「アンストッパブル」はきかんしゃトーマスの世界を人間からの視点で作り直した実写版のようでした。早く甥っ子に見せたい作品ですよ!




※本文に漏れた感想

  • カメラがグッと寄る画ってさ...ダサくない?
  • アメリカの大きさってのもよくわかる話でした。日本じゃ絶対無理だわ。