「アメイジング・スパイダーマン」

「勢いにまかせて観る」みたいな映画ってありません?「時間が空いた!」とか「今ちょうどこの映画が観たい気分!」みたいな。今回はそんな感じで勢いにまかせて観た映画、「アメイジングスパイダーマン」の感想です。


【あらすじ】※シネマトゥデイより引用

高校生のピーター・パーカー(アンドリュー・ガーフィールド)は両親が失踪した8歳のときから伯父夫婦のもとで暮らしていた。ある日、ピーターは父リチャード(キャンベル・スコット)の共同研究者だったコナーズ博士(リス・エヴァンス)のもとを訪れ、研究室で特殊なクモにかまれてしまう。その直後、ピーターの体には異変が起き……。

【予告編】


以下、感想デス。





体調が悪かったのか、観に行った劇場が心地よかったのか、それともお話に興味が湧かなかったのか。ついウトウトとしてしまいまして。これから書くのはウトウトと観た上での感想なのでこの映画が大好きって方がいたら申し訳ありません。


「面白い!」と思った部分がほぼ無かったんですよねえ。


主人公の男の子が前半ウダウダとしていたので、こっちもうっかりウトウトして「ハッ」と気付いたら、まーだウダウダとしゃべってんですよ。スパイダーマンになるまでものスゴい時間がかかる。実際にはものスゴい短かったかもしれないけど体感時間が長かった...。後半ようやく例の格好になるんだけど、前半のウダウダを引きずっちゃってて爽快感が無いんです。しゃべってるシーンは長い丁寧なのに、肝心のスパイダーマンすげえ!」って思えるシーンが極端に短い。今作のスパイダーマンは特にマスクをよく脱ぎます。あのマスクを取ったり脱いだり取ったり脱いだり(二度手間)。あいつがマスクを脱ぐたんびにアクションの流れが止まるっていう。もう、マスクに構造上の欠陥があるとしか思えない。アクションが少ないのになんで我々に3Dメガネをかけさせたんだ?


普通の高校生(とはいえ、イケメン&超頭良い&スケボー等、運動神経悪く無いんだけど。)が、図らずもヒーローになっていく...という過程が今作の一番のキモなんでしょうけど、それにしても対峙する悪役と噛み合っていたかどうか...。なんか主人公の気持ちの方向と悪役の行動の方向が向き合ってなかったように感じました。お互いそれぞれ別の事で忙しい...っていう。主人公は恋愛に忙しいし、正義感というよりも私怨で行動するし。彼がより「困っている人を助けよう」という気になるのは次回作以降なんでしょうなあ。


今回の脚本はラブストーリー要素が強くて、しかも撮ってるのが「(500)日のサマー」の監督なんだから、これは前半ダメでも後半から面白くなっていくかも!と思ったのに別段そうでもなかったのが残念です。主人公とヒロインの関係は序盤から上手いってる話なので特に「ラブストーリー」としての盛り上がりも無い。だから「スパイダーマンの格好で彼女に部屋に忍び込んだらお父さんが!」みたいな非常にミニマムな展開でしか見せ場が無い。しかもそっちの方がクライマックスの悪役との戦いよりもスリリングに描いているっていう。監督なんちゅうバランス感覚っすか!どうせ童貞高校生なんだし、戦う時もペチャクチャとしゃべるようなシニカルなキャラクターなんだからもっと「飄々としたピーター・パーカー」とか、明るい方向にリブートした方が監督の作風に合っていたかもしれません。だって「(500)日のサマー」のあのダンスシーンみたいな「バカバカしい!&その気持ちわかるー!」というシーンが撮れる監督じゃないですか!なんかもったいないよ!


ボクは前シリーズの「スパイダーマン」にも別段思い入れが無いのですが、とは言えやはりサム・ライミ版の第一作で「うひょー!!」と快哉を叫んだ記憶が消せる訳も無く、心のどこかでやはり前シリーズと今作を比べちゃってたのかもしれません。つか、前シリーズの「3」からたった5年しか経ってないし。今回のストーリーを観ながら「あれ、コイツ、たまたまスパイダーマンの格好を手に入れた『にせもの』なんじゃね?」と思い始めてしまいました。水戸黄門シリーズで定番の「にせ黄門様」話みたいな。
今作のクライマックスでピンチになった主人公の前にトビー・マクガイアがスパイダーマンの格好で現れたら、それこそ「うひょー!!」となりましたけどね。※「ルパン三世」第2シリーズ最終回のイメージです。


今作の「リブート」という手法はサム・ライミが降りちゃったから、という理由があるからしょうがないんだけど、やっぱりなんか割り切れないなあ...と言うのが素直な感想。「あの設定、やっぱ無しね!」ってのがMERVELのお家芸と言われましても...、ボクそこまで懐広くない。
「アイアンマン」から始まった「アヴェンジャーズ」みたいなオールスター大集合映画の次回作への布石、というか打算。
ダークナイト」以降のヒーロー映画が捕われた呪縛というか、過去作を大人向けシリアスに作り直せばヒットするだろうみたいな考え。
スパイダーマン」クラスのスーパーヒーローは、結果がどうであれファンは一定層来るだろうっていう保険。
なんか日本のメジャー会社がテレビ局と組んで作る「ドラマの映画版」と「作品が作られる構造」が似てますね。
日本もアメリカも台所事情は変わらないんだろうなあ、とぼんやりと思ってしまいましたよ。エンディング曲もむしろお似合いです。


色々書きましたが別に腹が立つ映画って事でも無いですし、まあ新しいスパイダーマンのデビュー戦だからこうやってギャーギャーとケチをつける方が野暮だしバカなんだと思いますよ。だってまた「あの設定、ヤッパ無しな!」ってリブートするかもしれないじゃない!




【おまけ】
おまけ動画、もうこれしか浮かばなかったス。

今作でサプライズで「レオパルドン」出たら「うひょー!!」どころか失禁してたわ。


あと、出典がわからないんだけど、こういう事するのって恐らくMTVムービーアワードじゃねえかと。