「スコット・ピルグリムvs邪悪な元カレ軍団」

先日、渋谷のシネマライズで「ショーン・オブ・ザ・デッド」「ホット・ファズ」「スコット・ピルグリムvs邪悪な元カレ軍団」の3作品を一晩かけて観るという「奇祭」があったので公開前に観る事が出来ました。今回はスコピルの感想です。


【あらすじ】※シネマトゥデイより引用

売れないバンドのベーシスト、スコット・ピルグリムマイケル・セラ)はゲームやデートに明け暮れていたが、不思議な魅力を持つ女の子ラモーナ(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)に出会い、恋に落ちる。しかし彼女には邪悪な元カレが7人もいて、全員を倒さなければ付き合うことができないという。大好きな彼女のため、スコットは次々に現れる元カレたちと対決することになり……。

以下、感想です。





だいたい、「ショーン〜」や「ホット・ファズ」のエドガー・ライト監督最新作ですよ。面白いに決まってんじゃない!
ホット・ファズ」のDVDの副音声で監督が

僕らは『シンプソンズ』や『赤ちゃん泥棒』が好きなのでギャグをてんこもりにしようとした。だから二回以上見てギャグを味わってほしいね。DVDの時代には何度も見られる作品を作る義務がある。

と言ってたんだけど、今回もその発言どおりでしたね。ワンカットに於ける情報量がとてつもなく多いです!1回観ただけでは全て把握できません。モンタージュのテンポの良さは相変わらず。展開が早いから二回目以降に観て初めてわかるギャグもいっぱいあるでしょう。本当に何回も観て楽しめる映画だと思います。「アンストッパブル」のトニー・スコット監督よりも高血圧な演出に笑ってしまいました。


エドガー・ライト監督ってのはちゃんと「映画のストーリー上で面白い」っていう内容が作れるコメディセンスが抜群なのが良いんですよ。初めて稲中卓球部を読んだときの感覚に近いかも。だいたい映画のギャグとして洋画/邦画の如何を問わず「面白い顔をすれば面白いでしょ!」って考えちゃってる監督が多くて、そういう映画が繰り出すギャグってだいたい面白くないんだよね。スコピルは頭からエンドロールまで全てパンパンにギャグが詰まってるので隙がありません


ただ、一つ不満というか気になる所を書くとすれば、このスコット・ピルグリムという主人公に感情移入できないというところでしょうね。「ショーン〜」のショーンとか「ホット・ファズ」のニコラスとかとは根本的に持ってるものが違います。彼ね、基本的にモテ男なんですよ。いや、確かにダメ人間なんだけどさあ、同じ「ダメ」でも女にだらしない「ダメ」って応援できないんだよ。「ダメ」にもいろいろあるんだよ!諸星あたるは女にだらしないダメ人間なんだけどラムちゃんから電流を浴びせられるから溜飲も下がるというのに、スコット・ピルグリムって何となくモテて、なんとなくいろいろ勝つんだよね。その生まれ持っている「モテ才能」がどうも気になって集中できませんでした。


まあ、でも面白かったのは間違いありません。これは1回観ただけで書いている感想だから多分このテンションなんだと思います。真価は二度目以降観てる人の感想の方が正しいでしょう。だからこの感想読んだら黙って映画館に行くべし。観たら次の回も観りゃ良いんだよ!劇場に足繁く通って存分に楽しんだらDVD買って監督がしゃべってる副音声を聞く!これが正しい楽しみ方だと思いますよ。


【おまけ】
ゲーム版「Scott Pilgrim vs. The World」ってあるのね!

動きはモロに「熱血硬派くにおくん」なんだけども...。

すげえ懐かしい!アーケード版はすげえ難しかった覚えがある。


ボクがファミコンでやり込んだのは「ダウンタウン熱血物語」でした。




※本文から漏れた感想

  • 一番最初の彼氏が結構全部持ってっちゃうんだよね。だから後になるにつれ彼氏軍団がしょぼくなって行くような気もする。
  • ラスボスのGマンって「ワイルド・パーティー」のZマンからきてると思うんだが確証なし。

  • 少年マンガに出てくる、主人公の繰り出すわざとか状況を台詞で説明するキャラもいておもろかったよ。ゲイの奴。
  • マイケル・セラってすげえ良い役者だと思うけど、サイモン・ペグニック・フロストがいないっていう寂しさよ。