「エクスペンダブルズ」

インセプション」「特攻野郎Aチーム」「十三人の刺客」ときて、今回もまた「チームもの」。
新宿で「エクスペンダブルズ」観ました。


【あらすじ】
・・・というかまあ、スタローン以下「往年のスター」たちが一堂に介して悪い奴をやっつける話です。

以下、感想。




子供の頃にしょっちゅう観てたアクション映画のヒーロー達がみんなで悪い奴をやっつけてんですよ。
つまらない訳ないじゃない!


よくワインなんかは「年代物が美味い」なんて事を聴きますが、ワンカップを美味しく頂いてる者としては味の違いなんて正直わからんでしたよ。それがこういった自分の趣味のジャンル「映画」でやられて初めてその言葉の意味がわかりました。なるほどワイン通と言われる人たちはこういう事を言ってたのか!この映画、まさに年代物のワイン。すっかり「熟成」されたスターたちが作り出した作品。まさに「今」じゃないとこの味は出ない。彼らが全盛期の時にこれやってたら渋味がキツくてとても観れたもんじゃなかったかもね。

顔が全てを物語っているというか、エクスペンダブルズ達のアップ、「顔面の説得力」がハンパないです。ボクなんか睨まれただけで殺されてるレベル。誰を映しても主役!スタローンのアップがきたと思ったら次はドルフ・ラングレン。はたまたミッキーローク、さらにジェット・リー・・・ってもうずっと贅沢な時間。表情で良かったのはドルフ・ラングレンとミッキーロークでしたね。名前も知らないような姉ちゃんを「ハーレー・ダビットソン」に載せて颯爽と登場するミッキーの顔!過去の辛い出来事を語るミッキーの青い顔(照明です)!また、ドルフ・ラングレンの人を殺す時の顔や哀しく微笑む顔が素晴らしいよ。つか、ドルフ・ラングレンて!これまたずいぶん久々に口に出した気がする...。シュワちゃんブルース・ウィリスの一日拘束ロケレベルの「バイトっぷり」も非常に好感持てますよ。この企画に乗ってきたっていう点でイイ男ですよ。セガールやヴァンダムも次回はがんばってほしいとこですね。

特に良いのはやっぱりスタローンで、年齢を感じさせないっていうレベルじゃないですよ。彼のフィルモグラフィーでたぶん一番「最強」なんじゃないかと。「ロッキー3」のvsホーガン戦以来のvsプロレスラー戦ってのも見せてくれます。スタローンの銃の構えってホント画になるね。スタローンの撃つ拳銃の銃声にひときわ「重さ」を感じるところも良いんだよね。それでもって全力疾走で走ったりぶら下がったりしてんだからさ。素晴らしすぎますよ!もし「1」の頃のジョン・ランボーと直接対決してたら今のスタローンが秒殺してるね。


ただ、良い映画、みんなと多くを語りたい大好きな映画だからこその「不満」ってもありますよ。


やっぱりライバル役がしょっぱかったね。強さのバランスが一方的すぎるよ。ゲームでレベル1のCPUと対戦して悦に入ってる感じがする。もしくは全日の天龍・2代目タイガーが新日のドーム大会に出場した時のカードみたい。これも「顔面の説得力」なんですよ。顔だけで彼らと対等に対決できる人をキャスティングしてほしかったです。設定とかストーリーはそのまんまでいいからライバル役に今売れてるトップクラスの俳優が「シャレ」でやってくれたらもっとすごい事になってただろうなあ。それこそジョニー・デップとかシャレに乗ってくれてたらなあ(妄想)。トム・クルーズ兄さんなんてマジでやってくれそうじゃね(妄想)?
もしくはエクスペンダブルズの誰かを敵にする事もできただろうにね。まあ、でもそういう事をしないのがスタローンの良いところ!流石リーダー。誰1人も犠牲にしませんよ。

あと、エクスペンダブルズの「作戦タイム」ってのが欲しかったです。でもこれはもう個人的趣味。「チームもの映画」の作戦タイムシーンがスゴイ好きなんですよ。ただそれだけの話。ええ、もちろんエクスペンダブルズに作戦なんか必要ないですよ。三国志諸葛孔明西部警察の大門団長よろしく、漢らしく「発破」の一択!それがもう清々しいです。アクション映画としてど真ん中すぎる「車」「バイク」「飛行機」「拳銃」「アクション」をふんだんに盛り込んでおいて何故「おっぱい」要素が無い!?...ってのも省略で!おっぱい一つ出てこない映画をR-15指定にするなんて!!

フォローできないホントに残念な件として、アクションでカット割り過ぎっていう問題があるけどね。特に将軍の城に入ってからの一連の見せ場のカット割りが細かすぎて、誰が誰と戦ってるのかがわからなくなって非常にもったいなかったです。あれジャッキーだったらカット割ってないよね、恐らく。「十三人の刺客」もカット割ってないから集団抗争だけど役者それぞれに見せ場があるんだよね。エクスペンダブルズはスターをあれほど揃えてるんだから尚更ね。もっとそれぞれ顔がはっきりわかるような「アクションの見せ場」が欲しかったですよ。


ただ、こういった「不満」も、一重に子供の頃から脳内で「エクスペンダブルズ」的な妄想をさんざん抱いてきたからこそであって、今回はスタローンがそれをやってくれたんだから文句ありません!むしろ「夢をありがとう!」と伝えたい。


今回のこのブログのあらすじの雑さからもお察しのとおり内容なんか無いですよ。ただ悪い奴をやっつけんですよ。伊豆みたいなロケ地で大暴れですよ。それでいいじゃないですか!「レスラー」とはまた別次元のアプローチ。「歳をとったからなんだってんだ!」という了見に深く感動しました。アクション映画を観て育った人には特に観てもらいたい。あの人たちの大河ドラマ、まだまだ全然終わってませんでした。惜しむらくは彼らのどんなアレな映画も、ニコニコとその魅力を伝えてくれた淀川さんや水野さんの解説付きで観てみたかったなあ...。




【おまけ】

ネタになる映像が無かったので世界のポスターを。
あと、一番下にプロレス者としてネタばれの感想を書いてます。未見の方注意。



※本文に漏れた感想(プロレス者としてネタばれ)