「興行」としての女子総合格闘技

twitter上の縁で「女子総合格闘技ジュエルス」を観に行く事ができました。プロレスならともかく「総合格闘技」、しかも「女子」ってのは雑誌の紙面上では知ってるけど生の観戦は初めて。

新木場1stRINGの北側、リングから2列目というかなり良い席で観戦。これがまた面白いのなんの!目の前で女性が全力でぶん殴り合ってんですよ!その画がもう既に最高。その上、テクニカルな部分に頭脳戦の妙を感じたり、選手が純粋に勝利を喜ぶシーンや敗者を称えるシーンに胸が熱くなったりと、女性同士の感情のぶつけ合いがてんこ盛りで非常に大満足させて頂きました。

ホントは細かい試合結果とか書くべきなんでしょうけどね。ここじゃやりません。今回はボク見たいな初見の者がこの興行を観て思った事。
なんかもったいない!
素材としては抜群に面白いのになんでこんなに世間に届かないんだろう?と。そこばっかり考えてました。たぶん見せ方に問題があるんじゃないだろうかね?
いちげんさんおいてけぼり感と、選手がそれぞれ持っている「物語」を大事にしない感じがすごい気になったんですよ。
例えば第一試合に石岡選手が出る理由とかね。いちげんさんのボクが観ても一目で「エース格」だって事がわかるオーラの石岡沙織選手が第一試合に出ている。なぜなら前回の大会のトーナメント一回戦で優勝候補にも関わらず負けてしまった云々ってのがあるから。でも「それって会場に来てる人はもうご存じでしょ?」って感じで、説明が一切無い。こういうのって初めてのお客さんには不親切だと思いますよ。この大会で行われた「グラップリング1DAYトーナメント」とかもね。優勝したらどうなるとかが無い。実際優勝者は決まったけど、花束贈呈とかトロフィー贈呈とか優勝者インタビューみたいなものも無い。なんでかなー?目の前で物語が産まれてるのに全然生かしてないんですよ。
このように、全体的に1試合1試合のテーマが分かりにくいんだよね。「女性が格闘技をやる」ってんだから、選手それぞれに人生があるはずなのに、それが試合のテーマに乗っかってない。「これは一連の長いドラマなんだ!」と、続きが観たくなるような演出を運営側がしてあげれば次回も来たいと思う客も増えるだろうに。そんなモヤモヤが結構あって、観ている間ずっと「なんかもったいない!」と思っちゃってました。一回も勝った事無い選手同士の試合とかも「一言」添えるだけで客の感情移入も応援の仕方も変わるのになあ。細かい事言うと、プログラムに載ってる選手の写真も、せっかく「女性」が選手なんだから綺麗に撮ってあげれば良いのに、なんかのついでに撮ったような写真ばっかりなんだよね。みんな綺麗なんだからさ。化粧するなり背景揃えるなりピント合わすなりすればもっと良くなるのになあ。あぁもったいない...。

「リング内」をあれこれいじれ!って事では無いんですよ。選手の皆さんは今まで通り全力で相手をぶっ潰すような試合をしてくれれば良いんです。ただ「リング外」の部分は、ほんのちょっと直せばもっと面白いものになるはず。「面白い素材」を「面白く客に伝える」ストーリーテラーみたいな人が一人でもいりゃあ、下手したらAKB48くらい化けるかもしれません。それくらいこの「ジュエルス」っていうのは「面白い素材」なんですよ!あれであんなにお客さんが入ってんだもの。常連さんだけで興行をうつのもいずれ限界が来ちゃいますって。やってる方も常連さんも「これで良し」と思ってんだったら、これほど余計なお世話は無いけどね。

【おまけ】
女の子たちがこんなんやってるのよ。面白くない訳無いじゃない!