2011個人的映画ランキング各賞【後編】

前回の続きです。今回は細かい賞を。


【音楽賞】

1位:「glee/グリー ザ・コンサート3Dムービー」
2位:「ザ・ファイター」
3位:「電人ザボーガー
4位:「トーキョードリフター」
5位:「YOYOCHU sexと代々木忠の世界」
6位:「監督失格
7位:「塔の上のラプンツェル

1位〜3位は感涙もの。貼ってある映像は違うけどわかりやすいのでこれを。嫌いな所を含めての自分だっていう歌をよく解釈されてました。そりゃファンも熱狂するわ。2位はクライマックスの入場するシーンにかかる曲、選曲が良い。3位は絶妙なタイミングでかかるテーマソングの熱さ。4位は暗闇と格闘する「日常」。5位はアテナ映像のAVに流れる独特の曲が映画でも聴けた!っていう感動。6位は当然ラストの曲。「由美香」のテーマも好きなんだけどね。欲しくて色々調べてみたけど無い。7位は英語の原曲が綺麗に日本語になってたという部分。


美術賞

1位:「トロン:レガシー
2位:「イップマン 序章」
3位:「電人ザボーガー
4位:「塔の上のラプンツェル
5位:「サウダーヂ」
6位:「スプライス
7位:「タンタンの冒険」

1位はトロンの世界観が現代にトレースされた雰囲気が味わえて良かったです。内容はともかく。2位は戦時中の再現度。3位と6位は映画のキモとなるキャラクターのデザインが素晴らしい。4位と7位は3Dの事もちゃんと考えてある世界。5位に関しては地方の労働者の生活感が住んでる部屋にちゃんと表れていたので。


脚本賞

1位:「サウダーヂ」
2位:「その街のこども 劇場版」
3位:「宇宙人ポール
4位:「電人ザボーガー
5位:「忍たま乱太郎
6位:「冷たい熱帯魚
7位:「塔の上のラプンツェル

1位は、明らかに現実なんだけど誰も気付こうとしなかった日本の歪みを細かい所まで綺麗にまとめていて、その着眼点と構成力が素晴らしい。2位はいつかは誰かがやらないといけないであろう重要なテーマをちゃんと作品として完成させているのが良い。ご本人も被災されたそうで、それはそれで納得。3、4位に共通するのは「対象への愛」。


【監督賞】

1位:平野勝之監督失格
2位:井口昇電人ザボーガー
3位:グレッグ・モットーラ宇宙人ポール
4位:富田克也「サウダーヂ」
5位:ダーレン・アロノフスキーブラック・スワン

1位に関して。あの映画はとかく「あのシーン」が話題になりがちだけど、実はそこに至るまでの編集が秀逸。ちょっとした言葉とか映像が全て伏線になっていて最終的にちゃんと回収される。丁寧な構成を作る「監督」なのでした。もちろん編集の際に「あのシーン」を何度も観なければいけないであろうとか、そういった苦行も乗り越えての作品なので監督賞。「監督失格」とは謳っているけどね。立派な監督ですよ。井口監督は感想にも書いたけど「残すべき部分」と「新しくすべき部分」の判断が素晴らしかったです。


2011年の映画は「オープニング」と「エンドロール」に面白い作品が多かった気がします。という事で下記の賞。


【ベスト・オブ・オープニング賞】

1位:「ザ・ファイター」
2位:「電人ザボーガー
3位:「スーパー!」
4位:「トーキョードリフター」
5位:「トロン:レガシー

1〜3位はテンションがガン上がりした順。特に1位は曲がカッコ良かった。4位はタイトルのフォントがボクの世代的に直撃!5位はディズニーロゴがトロン風になってるのが観れただけで「お金払って良かった!」と思いました。


【ベスト・オブ・エンドロール賞】

1位:「Super8
2位:「電人ザボーガー
3位:「ザ・ファイター」
4位:「エンジェルウォーズ」

ネタバレなんで書きにくいですが、どれも観客に「お土産」を用意しているようで面白かったですよ。特に印象的なのは4位。あいつ何であんなにハイテンションで歌ってやがるんだ!?


【最優秀「悪役」賞】

1位:ケヴィン・ベーコン「スーパー!」
2位:剣 幸(マザー・ゴーテル)「塔の上のラプンツェル
3位:マンソク兄弟「アジョシ」
4位:池内博之「イップマン 序章」
5位:柄本明電人ザボーガー

ケヴィン・ベーコンラプンツェルママのどっちかで迷いました。ケヴィン・ベーコンは飄々としていながら怒らせたら絶対怖い...って言う雰囲気、それとカミさんを差し出す時の複雑な表情が抜群に良かったので1位。ラプンツェルママは純粋に「悪役」として良かった。あそこまで育てたら「育ての親」感を出してメロドラマになりそうな感じなのにね。それが一切無い。「あんたってホントに暗いわねウソよ冗談あははは!」みたいな、相手に一言もしゃべらせないで本音を言う感じの台詞回しも好き。あと、3位のマンソク兄弟はこれ以上無い「ドヤ顔」が素晴らしかったです。
次点は「孫文の義士団」のあいつと「宇宙人ポール」の最後に出てくるあいつ。
冷たい熱帯魚」のでんでんはねえ...「悪役」というよりも、もはや「アンチヒーロー」みたいだったのでいれませんでした。


【最優秀コメディパフォーマンス】

1位:サイモン・ペッグニック・フロストセス・ローゲン 「宇宙人ポール

今年も一択で。米英、夢の共演でした。これはもう文句無し。


【最優秀アクション】

1位:「イップ・マン 序章」 イップ・マンVS空手黒帯10人
2位:「イップ・マン 葉問」 魚市場乱闘シーン
3位:「スーパー!」 クライマックス クリムゾンボルトの討ち入りシーン
4位:「電人ザボーガー」クライマックス バイク爆走シーン
5位:「タンタンの冒険」クライマックスのワンカット

ボクは「葉問」→「序章」の順番で観たのですが、この順番で観て良かったです。「葉問」の魚市場乱闘シーンは、あくまでも乱闘を押さえる為の闘い。他方、「序章」の「vs空手黒帯10人戦」は明らかに足腰立たないようにする怒りの闘い。「葉問」における師匠の風格は、実は過去に「序章」でこんな酷い闘いがあったからだっていう事が観た順番でわかったのでよりグッときたのです。しかも台詞もリンクしてんだよね。今年のアクションと言えばこの二本。


【最優秀ファイト】

1位:「イップ・マン 葉問」 ドニーイェンvsサモ・ハン・キンポー
2位:「アジョシ」 ウォンビンvsマンソク兄弟
3位:「アンチクライスト」 シャルロット・ゲンズブールvsウォレム・デフォー
4位:「ザ・ファイター」 クライマックスの試合(入場シーンから)
5位:「スプライス」 デルフィーヌ・シャネアックvsエイドリアン・ブロディ

アクションが多数ならファイトはタイマン。1位は今年一番燃えた闘い。2位はウォンビンvsマンソク弟とウォンビンvsマンソク兄と、別々なんだけどウォンビンのヒーローっぷりとマンソク兄弟の見苦しさが素敵だったので。3位は恐怖を通り越して「コント」でしたな。4位はボクシングをTV中継のカット割りで見せるという手法が面白かったです。5位はエイドリアン・ブロディが怪物とセックスするっていう、ある意味「ガッツ」に一票。


【がんばれ新垣結衣!賞】
一昨年の「フレフレ少女」で無惨な目にあっていた新垣結衣さんを観て作ったこの賞。今年は二年連続で「アンダルシア」の黒木メイサさんが獲得するかと思いきや、残念ながら?良い役に恵まれたので今年は新しい顔。この方。


前田敦子もしドラ

ダメな映画の客寄せに使われて酷い目に遭うのは大人気アイドルの宿命。頑張れ!超頑張れ!


【目が死んでるぜ賞】
別名「バイトでやってます賞」。今年から作りました。映画に出てるんだけど明らかに目が死んでるような演技の方に贈ります。


1位:ハリソン・フォード「カウボーイvsエイリアン」
2位:ジョニー・デップ「ツーリスト」
3位:福山雅治「アンダルシア 女神の報酬」

目が死んでるような表情になってしまう気持ちはわかる。




以上、各ランキングでした。次回ようやく今年のベストテン。